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●『魚の食べ方=生・酢じめ』
魚本来の味を楽しむ調理法。四方を海に囲まれ、新鮮な魚介が手に入りやすい日本では室町時代にはすでに刺し身を食べていたという記録があります。魚それぞれに風味、甘味の持ち味が違うので四季を通じて楽しめるのも魅力。技巧的になると手がかかって鮮度も味も劣ってきますから、家庭ではシンプルにすっきり仕上げを・・・。
●魚の脂肪と鮮度「サバの生き腐れ」
・ サバには他の魚よりうま味成分のヒスチジンがおおいが、暖かい所におくと分解が早く、腐敗の原因をつくる。ただし、悪臭がないので気づかないうちに中毒を起こす原因にもなる(アジは逆に鮮度が落ちるとうま味成分トリメチルアミンのにおいのほうが先に出るので腐敗に気づきやすい)。また、おろすときに身割れが生じやすいため細菌が入りやすいので腐敗も早い原因となる。 サバの生き腐れとは思ったより早く鮮度が落ちることを言う。買ってきたらすぐに下準備にとりかかる。
・ 脂肪は魚のうま味の一つ。脂肪の多い少ないは魚の種類、季節、年齢、栄養状態によっても異なる。部位だと腹身、頭周辺、血合いに多く含まれる。産卵前(旬)、年齢の経ている大きい魚も脂肪が多い。
・ 魚は獣鳥肉の脂肪と違い、不飽和脂肪酸が80%を占め、淡水(川、湖)の魚より、海の魚のほうが密。しかし、空気中の酸素と結びつきやすく、長く空気にさらされると酸化して毒性ができるので鮮度の高いうちに下準備にかかることをお勧め。新鮮な魚には臭気が少ないが、酸化が進むと特有の生臭さが出るのはこのため。また干物も保存に気をつけ、食べごろを大切にするのも同じ理由。
●塩じめで歯切れのよさを、酢じめで保存性を高める
1) 塩じめ・・・ ・ 多め(4%)の塩をふりかけておくと食塩が徐々にしみ込んで柔らかいサバの身から余分な水分が抜けて身がしまる。ざるにのせて塩をふるのは、魚の水分とともに抜ける魚の生臭さを魚に戻さないため。塩は外部につく細菌も抑える効果がある。
・ 最低1時間は塩でしめる。前夕に作るのなら、塩が溶けたら身を割らないために皮目を上にしてラップでおおい、一晩冷蔵庫へ。
2) 酢じめ・・・ ・ 塩で身がしまったら、次に酢でしめる。酢に浸すと白くかたくなるのは魚のたんぱく質が固まるため。歯切れよい感触が得られる。
・ 酢の風味は魚の生臭さを除き、酢の酸で殺菌の効果があって保存性の高いものにしてくれる。
・ こんぶを入れるのは植物性のうま味成分を魚の動物性成分にプラスして、1+1=3のうま味の相乗効果が目的。
・ 酢じめは30分以上。生の感覚が嫌いな人は長く浸す。長時間を浸すときは、酢がしみやすい身と身を腹合わせにして冷蔵保存を。
・ 長期保存には酢じめは1時間以内にとどめ、汁けをきってラッピングをし、冷凍庫へ。
●『魚の食べ方=焼く』
とれたての魚をたき火にかざすだけのごく単純な形で始まったのがこの調理法。塩分がなくても焼き目の香りで魚の風味とうま味を楽しめます。しかし、住まいの様式が変わって現在、このような直火焼きよりも、焼き上がったときに魚と相性のよい調味料とからまった間接焼きの種類が豊富になってきました。加熱時間が比較的短いので主菜向きの人気料理が多くあります。
・「照り焼き」
甘辛い照りをつけるので焼きの香ばしさが魅力です。魚の生臭さが消えるので脂肪の多い冷凍魚にも向きます。本来はじか火で焼くものですが、フライパンでもおいしく焼けます。
・「ムニエル」
ムニエルとは“粉屋のおかみさん”ということで魚も作る人も粉にまみれることからこの名が・・・。ユーモラスなニュアンスがあります。
・「ムニエルに向く魚」
・ 舌平目は下処理した状態で多く売られている。タイはうろこ、アジはぜいごを除き、ひれとえらを取って盛りつけて裏になるほうの腹からわたを出す。尾は切りそろえる。魚屋に頼むのも一法。切り身なら三枚おろしか筒切りを求める。
・ 舌平目を本格的にするなら白い皮もむき、小骨のある周囲(縁側)を除く。包丁より調理ばさみで扱うほうが楽。身は少し小さくなるが食べやすい。盛りつけは黒皮のあったほうが上となる。
・「ムニエルソース2法」
甘辛い照りをつけるので焼きの香ばしさが魅力です。魚の生臭さが消えるので脂肪の多い冷凍魚にも向きます。本来はじか火で焼くものですが、フライパンでもおいしく焼けます。
「正統スタイル」・・・フライパンを傾けてバターをきつね色に焦がし、レモンを搾り入れ、焼きたての魚にかける。味はまろやか。レモンとパセリを。
「簡略スタイル」・・バターをきつね色に焦がし、魚にのせた輪切りレモンの上からかける。
●『魚の食べ方=焼く』
液体をからめて煮るために、他の加熱調理よりやわらかい感触に仕上げることができます。ただし、途中煮くずれやすいので味つけ、魚の種類によってもそれ相応の手当てが必要です。また、鮮度のよい魚、白身魚、青背魚、鮮度のやや落ちた魚、冷凍庫によって味つけを使い分ければほとんどの煮魚は成功します。蒸す料理にはうす味でもおいしい白身魚や姿をくずさずに仕上げたい一尾魚のときに選びたい調理法です。
●『魚の食べ方=揚げる・炒める』
に熱が入るため、蒸しの状態で素材の持ち味が充分に楽しむことができ、二重のうま味が得られます。ボリューム感も出せることから人気のある主菜が多くあります。ただし、油は酸化が早いので油の扱いには注意してください。温度も味のうちですから食べるタイミングをたいせつにしましょう。いため物も油の高温加熱を利用するもので、魚の持ち味や栄養を損なわず、スピーディに仕上がるのが特長です。
●『魚の食べ方=汁・なべ物』
汁やなべ物は、本来魚介や肉、野菜をたっぷりの水で煮てほどよい満腹感、体に暖をとる、ご飯を食べやすくするなどの役割があります。魚介類のそれは魚自身から味が出るため、それをだしにして作れるのでとても簡単。具の多い汁やなべ物は汁と煮物を兼ねられますから時間のないときの献立には便利です。
(資料提供:女子栄養大学)
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