料理の知恵袋
ごま大辞典
料理の知恵袋
料理の基本(素材別)
お野菜の話
野菜の保存方法

●野菜と仲良し 新鮮保存法

・メロンとすいか「親しくなれない関係です」
旬をいっぱい味わってもらいたいと、くだものや野菜を同じ箱に詰めた贈り物が届くときがある。7月はメロンとすいかなど・・・。さっそくすいかを冷やして食べようと割ったところ、赤い果肉がくずれ、味も変わって食べられない。箱にはいっていたメロンから出たエチレンによってすいかの熟成が急速に進み果肉が軟化してしまったのだ。エチレンは植物の成熟促進ホルモンで、その働きは呼吸の促進、果実の熟成・追熟の促進、老化促進などで、鮮度保持という観点からはマイナスの要因になるものばかりである。エチレンをたくさん放出するものには、メロン、リンゴ、桃などのくだものや、トマト、ブロッコリーなどがある。これらは種類別にポリ袋に入れてしっかり閉じておきたい。

・トマトの更年期
トマトに限らず野菜は畑から収穫されたあとも呼吸をして生命を維持している。トマトは多くの野菜と違って、特異な呼吸のパターンを示す。収穫後いったん下がった呼吸量が、ある時点から急速に上昇し、しばらくして最大となり、その後は低下する。このように呼吸が途中から急上昇する現象を「クライマクテリック・ライズ」という。クライマクテリックとは、英語で「厄年」とか「更年期」とか、人生の一大転換期を指す言葉である。トマトはこの急激な呼吸の上昇に伴って、かたい緑色の果実から、熟れた赤いトマトに変身する。トマトにとって最大の転換期で、人間でいえば更年期や閉経期にあたるだろう。したがって完熟したトマトは生理的には次第に老化の方向へ向かうので、その鮮度保持は低温にして呼吸をおさえ、極力老化の進行を抑制することが最大のポイントになる。凍らない範囲の低温、すなわち0度が完熟トマトの貯蔵適温である。

・玉ねぎはよくかわかして
玉ねぎは、秋まき春どりと、春まき秋どりがある。春どりは3~6月、秋どりは8~10月が収穫期だ。季節にかかわりなくいつでもカレー、シチュー、ハンバーグなどの玉ねぎを年間貯蔵しておかなければならない。玉ねぎは収穫したのち、乾燥させ、葉を切り落とす。春どりのもので収穫後まもなく出まわる玉ねぎの中には、充分乾燥していないものもある。そういうものをすぐにポリ袋などに入れて冷蔵してしまうと、湿度が高いために葉を切り落とした切り口にかびがはえやすい。玉ねぎは冷蔵庫に入れないで、網袋か古いストッキングなどに入れて風通しのいい場所につるしておくのがいい。1週間くらいして良くかわいたなら、その後ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存したほうが長持ちする。

・かぶ 葉は早く食べきって
かぶは「スズナ」の名で、春の七草の一つに数えられている。日本では古くから庶民に親しまれ、利用されてきた野菜である。かぶは葉と根部では成分が極端に違う。葉にはカロチン、ビタミンC、カルシウムが豊富で野菜の中では多い部類にはいる。一方根部では糖質が比較的多いがビタミンCは少量、カロチンはほとんど含まない。
  保存性においても葉と根部ではまったく違う。根部は日持ちがよく保存に苦労しないのに比べて、葉の鮮度低下は非常に早い。常温におかれると葉のクロロフィルは急速に分解消失して、葉は黄化し、カロチンは減少してしまう。このさい、外側の葉から黄化が始まる。そして外側の葉ほどカロチンの現象も早い。入手したら葉と根部は切り離して、葉はなるべく早く食べてしまうことだ。

・ブロッコリー 花が咲かないように
ブロッコリーはつぼみとそれを支えている若い茎を食べる。発芽し、成長し、つぼみがつき、花が咲くという植物としての一生の中では、つぼみという特別なステージで収穫し、利用されている。それも開花直前の状態に近い。そんな段階で収穫されたブロッコリーは収穫されてからも、早く花が開き、できれば種子を形成してその「種」が途絶えることがないようにと、あらゆる生理的代謝がそちらへ向いて働く。だからブロッコリーの鮮度保持の重要なポイントは開花の抑制である。
  ブロッコリーは野菜の中では呼吸量が特に多い。室温におかれると旺盛な呼吸のため味が落ち、つぼみが開花・黄変しやすく、鮮度保持のむずかしい野菜の代表にあげられる。鮮度保持に有効なのは包装だ。ポリ袋に入れてしっかり口を閉じ、冷蔵庫に保存する。これで心地よく眠りにつき呼吸は抑えられる環境が出来上がる。ポリ袋は厚さ0.03mmのスーパーなどの雑貨売場にある一般的なものでよい。

・春菊 立ててください
春菊でおもしろい実験をやったことがある。春菊をびんに立てる。横にして寝かせる、逆さづりにするという3つの姿勢にして変化の観察した。立てておいたものは、少しばらけていた葉がすっとしたくらいでほとんど変化はなかった。横に寝かせたものは葉先が立ち上がり90度近い角度まで曲がった。逆さづりのものは葉先が左右に分けながら曲がり、ちょうど八の字ひげのような形になった。春菊が懸命になって生きているということを実感する。春菊は葉先が上になって立っている姿が自然なので、横にしたり逆さづりにしたりすると自然な姿に戻ろうとしてこんな現象が見られるのだ。
自然な姿に戻るためには相当なエネルギーが必要で、そのエネルギーは呼吸する事で獲得する。呼吸すれば体内成分の糖や有機酸が使われる。だから逆さづりや寝かせたものは品質が落ちて葉が黄化するのも早い。ときどき店先などでも、少し曲がった形の春菊が売られている。担当者が春菊の生理を知らずに取り扱っているからだ。野菜は生き物である。品質を落とさず、おいしく、栄養もそれなりに摂取するには、彼らの気持ちを察してやり、やさしい扱いをしてやることだ。

●特別な扱いをしたい野菜

・ 青じそ
水けをよくきってビニール袋に入れ、袋の中に息を吹き込んでふくらませた状態にして口をしっかり結び、冷蔵庫で保存。
・ 使い残しのレタスやキャベツ
根本の切り口を少し切り落として、その部分に水を含ませたキッチンペーパーか、脱脂綿を当ててビニール袋に入れて、冷蔵庫で保留。
・ パセリ
4~5日なら切り花と同様に水に入れたコップの中に差して保存。それ以上もたせるには、青じそと同じ要領で冷蔵しておく。
・ カイワレ大根
付属の人口麺をそのまま残し、水分を含ませて冷蔵庫に。2~3日保存したいならパックごとラップをかけて冷蔵庫に。
・ ゆず
すりおろすなり、細かく刻んで密封小容器に入れて冷凍すれば、小分けに使うのに便利。まるごと保存したいのなら、洗ってラップにぴっちりと包み、冷蔵しておけば2週間でOK。
・ わさび
たわしでこすり洗いをしてコップ水に浸し冷蔵。使い残しはすりおろした部分を薄く削って水に浸して冷蔵。ときどき水を替えれば2週間は保存可能。

(資料提供:女子栄養大学)

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