ごまのQ&A
日頃、何気なく使っている「ごま」の
すこし不思議なほんとうのお話
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Q.1どんな
ごま油が
あるの?クリック! -
Q.2ごま油に
賞味期限は
あるの?クリック! -
Q.3ごま油の
保存の
ポイントは?クリック! -
Q.4同じごま油でも
賞味期限が違う
のはどうして?クリック!A.4油の容器は材質によって、光の透過度、空気の通気性が異なりますので、油の賞味期限は容器の材質によって異なります。
かどや製油のごま油各製品の賞味期限は(未開封の場合)以下のようになり... -
Q.5賞味期限を過ぎた
ごま油は
食べられる?クリック!A.5「賞味期限」とは、加工食品において「未開封状態で、表示された保存方法で保存された場合に、その製品のすべての品質特性が十分保持しうると認められる期間」を示しています。つまり「おいしく食べられる期間」... -
Q.6ごまには
どんな種類が
あるの?クリック!A.6ごまは、植物学上ごま科ごま属に属します。ごま属の中には、37種の野生種と1種の栽培種があり、この栽培種には約3000の品種があるといわれています。市販されているごまには外皮の色の異なる... -
Q.7白ごま・黒ごま
金ごまは
どう使い分ける?クリック! -
Q.8「洗いごま」
「皮むきごま」
「いりごま」
「すりごま」
「ねりごま」
ってどんなごま?クリック! -
Q.9お家で
どうやって
ごまを煎るの?クリック!A.9ごまは、煎ると香ばしさが増し、プチプチした食感が出て、一段とおいしくなります。また、いりごまは煎りたてが一番香ばしく、おいしいものです。昔はどの家庭でも使う分だけ自分で煎って食べていた... -
Q.10お家で
どうやって
ごまをするの?クリック!A.10すりごまが手に入りやすい現在では、家庭でごまをする機会も少なくなってきましたが、かつては、ごまはすって使うものでした。ごまは、することで香りがたち、ごまのうまみを感じやすくなります。また、... -
Q.11いりごまを
美味しく
楽しむ方法は?クリック!A.11「いりごま」とは、生のごまを水洗いして、煎ったものをいいます。ごまの香りは生の状態にあるのではなく、コーヒー豆のように焙煎することで香ります。ですから、煎りたてが一番いい香りがします。洗い... -
Q.12すりごまを
美味しく
楽しむ方法は?クリック!A.12いりごまをすったものを「すりごま」といいます。ごまはすりつぶすことで、香りがたちやすくなります。また、ごまは皮が固く粒が小さいので、かみ砕きにくいものです。いりごまはそのまま食べても... -
Q.13切りごまを
美味しく
楽しむ方法は?クリック! -
Q.14ひねりごま
って何?クリック! -
Q.15ごまを煎る道具は
どんなもの?クリック!A.15昔は、ごまを煎るには、『ほうろく(焙烙)』という素焼きの調理器具が使われていました。素焼き製品特有の遠赤外線効果で、表面を焦がすことなく中までじっくり火を通すことができるので、お茶や豆、ごま... -
Q.16ごまをする道具は
どんなもの?クリック!A.16ごまは表皮がかたく、そのままでは吸収されにくいため、すって表皮を細かく壊すことで栄養を最大限吸収することができます。そのうえ、することで香りもさらによくなります。
すり鉢とすりこ木... -
Q.17天ぷらを
美味しく揚げる
コツはある?クリック!A.17古くから、江戸前の天ぷらにはごま油が使われてきましたが、家庭ではサラダ油や天ぷら油にごま油を少し加えることで、香りが楽しめるほか、油が劣化しにくくなります。
ごま油をつかって、さらに... -
Q.18天ぷらがべタッと
なってしまう
のはなぜ?クリック!A.18天ぷらは、適した温度の油で揚げることで、衣に含まれている水分が蒸発し、代わりに油が入り込むという加熱方法です。
ですから、油の温度が低すぎると衣の水分が蒸発せずに残って、べたついてしまい... -
Q.19油が疲れるって
どういうこと?クリック!A.19揚げ物をすれば、油はどうしてもいたんでしまいます。いたんだ油ではおいしい料理ができないうえに、健康上も少し不安。
いやなにおいがする、色が濃くなり粘りがある、油切れが悪くなる、泡が... -
Q.20ごま油で美味しい
揚げ物を作る
ポイントは?クリック!A.20家庭では揚げ物に天ぷら油やサラダ油を使うことが一般的ですが、「江戸前」といわれる天ぷらでは好んでごま油が使われています。ごまの香りで、天ぷらがよりおいしくなります。
家庭で揚げものをする場合... -
Q.21ごま油で美味しい
炒め物を作る
ポイントは?クリック!A.21炒め物にごま油を使うと、パァーッと香ばしいごまの香りが食欲をそそります。
仕上げにごま油を加えると一段と香りや風味がアップします。
中華料理に限らず、和風パスタなどの上にかけても...、さっぱりとした上品な味に仕上がります。 -
Q.22ごま油で美味しい
焼き物を作る
ポイントは?クリック!A.22焼き物にごま油を使うと、焼き上がりの色ツヤが良くなり、おいしさもぐんとアップします。
ちょっと日にちがたってしまった干物にごま油を塗ると、パサパサにならずふっくら焼き上がります。...溶き卵にごま油を少々加えてから焼くと、ふわふわの卵焼きになります。 -
Q.23ごま油で美味しい
煮物を作る
ポイントは?クリック!A.23煮物を作る際にごま油を加えれば、コクが増して深みのある味わいに。
ごま油で材料を軽く炒めてから煮ると、煮くずれせず、コクが出ます。
ごま油を少し加えて...ゆでれば青菜など色鮮やかに仕上がります。 -
Q.24ごま油で美味しい
和え物を作る
ポイントは?クリック!A.24素材をごま油で和えると、持ち味を生かしながらコクや旨みをプラスできます。
豆腐にごま油をかけるだけで、いつもとはひと味違った冷や奴に仕上がります。
お刺身の上に塩、こしょうと... -
Q.25ご飯を炊くときに
ごま油を使うと
美味しいって
本当?クリック! -
Q.26干物の冷凍に
ごま油が
役に立つ?クリック! -
Q.27ごま油以外に
どんな植物油が
あるんだろう?クリック!A.27植物油には、ごま油のほかにもいろいろな種類があります。それぞれ違った特性や味、風味を持っていて、使われ方もさまざまです。ここでは家庭で使われる一般的な植物油を簡単に紹介します... -
Q.28世界一の
ごま美人は
エジプトの
〇〇さん!?クリック!A.28ごまは、最古の作物といわれています。ごまを搾って作られるごま油は、当時も食用のほか、薬用、儀式用、化粧用など、幅広く利用されていました。
エジプトの女王・クレオパトラ(紀元前69~30年)は、... -
Q.29「えごま」は
「ごま」の一種?クリック!A.29「えごま」は「ごま」の一種と思われがちですが、ごまの仲間ではありません。
えごまは、シソ科シソ属の1年草で、見た目はシソの葉そっくりです。地域によっては「じゅうねん」「あぶらえ」... -
Q.30ごまが
忍者の修行を
お手伝いしていた
って本当?クリック!A.30昔の忍者は、ごまの苗を毎日飛び越えて、ジャンプの訓練をしたと言われています。ごまではなく麻という説もありますが、どちらも生長が早いことから、そのようにいい伝えられているようです。また、... -
Q.31なぜ、
「開け、ごま?」
なの?クリック!A.31「開け、ごま!」を英語で言うと、「Open sesame!」(オープン セサミ)。
アラビア語では、「イフタフ(開け)、ヤー(呼びかけの間投詞)・シムシム(胡麻)」。
アラビアン・ナイトの... -
Q.32ごま油は
どんな「ごま」
から搾るの?クリック!A.32ごまは「白ごま」「黒ごま」と区別するのが一般的ですが、アフリカでは濃淡の混じった「茶ごま」の方がなじみがあるようです。「茶ごま」は日本では「ミックスごま」と呼ばれ、ごま油用の原料として... -
Q.33ごま油は
ミイラにも
使われていた?クリック! -
Q.34中国では
『食べる丸薬』
として
使われていた?クリック!A.34ごまとはちみつを組み合わせて、トロッとしたドリンクにしたり、パンに塗ったりして食べることがありますね。ごまとはちみつを組み合わせる食べ方は、1000年以上の古い歴史を持っています... -
Q.35「ごまをする」
「ごまかす」の
言葉の由来は?クリック! -
Q.36ごまは
精力剤として
愛用されていた
って本当?クリック!A.36エジプトのピラミッドからごまが発見されましたが、古代エジプトでは「ごまは薬」という意味で「セムセム」「セセム」と呼ばれていました。
当時、ごまは病気を治すだけでなく、精力剤として...
昔は灯油として使われていたごま油、香りと風味を知ってからはもっぱら食用になりました。ごま油は、無色のものから色の濃いものまでさまざまです。
純白ごま油
良質のごまを煎らずに(※純白ごま油の大きな特徴)、丁寧に搾ったごま油。煎らずに搾っているため、色・香りはほとんどなく、旨みだけが生きています。ごま特有の強い香りがないため素材の味を引き立て、どんなお料理にも合います。また、高級天ぷら油としても使われています。
純正ごま油
良質のごまを香ばしく煎り上げ(※ごま油特有の香ばしい風味と色が生まれます)、丁寧に搾った香り高いごま油。ごまの香ばしさを持ちながら、マイルドな風味に仕上がっているため、和食や中華等どんなお料理にも合う汎用性の高いごま油です。
純正ごま油 濃口
良質のごまを、強めの焙煎でより香ばしく煎り上げ(※ごま油特有の香ばしい風味と色が生まれます)、丁寧に搾ったごま油。ごまの風味が強いため、主に韓国料理、中華料理、焼き肉のタレなどのような濃厚な味のお料理と相性がよく、ごま香味がアクセントになり料理の味が引き立ち、ごま特有の芳醇な香味づけにぴったりです。
純正黒ごま油
良質な黒ごまだけを使い、やや強めの焙煎で煎り上げ(※ごま油特有の香ばしい風味と色が生まれます)、丁寧に搾ったごま油。ごまの風味が強く、芳醇な風味がある本格派ごま油。
食用油は腐ることはないのですが、空気や光、熱などにより、酸化や劣化が進んでしまいます。ごま油は、食用油のなかでも酸化しにくい油ですが、おいしく召し上がっていただくには、正しく保存して、早めに使いきることをおすすめします。
消費期限と賞味期限の違い(農林水産省HPより)
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/featured/abc2.html
ごま油に限らず、食用油の保存には、次のような点がポイントです。
①暗い場所に常温で 冷蔵庫に入れる必要はありません。
②流しの下や戸棚の暗いところなど普段開け閉めがあって湿気や熱のこもらない場所で、常温保存(20℃程度)してください。
③温度の高いところは避けてガスコンロのそばなど、温度が高くなる場所には置かないでください。
空気になるべく触れさせないように開封後はしっかりフタをして、なるべく早く使いきるようにしましょう。
④揚げ物に使用したあとは、すぐにカスをとる
揚げカスをそのままにすると油の酸化が進みます。使い終わったらすぐに、こし器などでカスを取り除き、密閉できる容器に移して保存してください。
油の容器は材質によって、光の透過度、空気の通気性が異なりますので、油の賞味期限は容器の材質によって異なります。
かどや製油のごま油各製品の賞味期限は(未開封の場合)以下のようになります。
〈かどや製品の容器別賞味期限一例:純正ごま油の場合〉
缶製品:2.5年
瓶製品:2.0年
ポリ・ペットボトル製品:1.5年
開封後は時間が経つにつれ風味が低下するため、購入する際には自分に適したサイズのものを選び、なるべく新鮮なうちに使いきりましょう。
「賞味期限」とは、加工食品において「未開封状態で、表示された保存方法で保存された場合に、その製品のすべての品質特性が十分保持しうると認められる期間」を示しています。つまり「おいしく食べられる期間」ということです。
ごま油は食用油の中では、酸化安定性の良い油として知られており、賞味期限はある程度の余裕をもって設けられていますので、賞味期限が切れてもすぐに食べられなくなるものでもありません。
しかし、賞味期限を過ぎた油は、時間の経過とともに風味が落ちてきますし、流通段階での保管環境やお客様の保管環境によって、酸化の進行度合いが異なってきます。仮に理想的に保管されていたとしても油の酸化は少しずつ進んでいます。
一度開封した商品、または賞味期限後のご使用については、お客様の判断になりますが、開封後は時間が経つにつれ風味が低下しますので、購入の際には新鮮なうちに使いきれるサイズのものをお選びいただき、早めに使いきることをおすすめします。
酸化した油を摂り続けると将来の健康に影響を及ぼすことも考えられますし、おいしさの点からも、新鮮なごま油をご利用ください。
ごまは、植物学上ごま科ごま属に属します。ごま属の中には、37種の野生種と1種の栽培種があり、この栽培種には約3000の品種があるといわれています。市販されているごまには、外皮の色の異なる「白ごま」「黒ごま」「金ごま」があります。(「金ごま」は、「茶ごま」とか「黄ごま」と呼ばれることもあります)
「白ごま」「黒ごま」「金ごま」は種皮の色の違いにより分けられた呼び名で、品種による分類ではありません。基本的な栄養はほとんど変わりませんが、香りと色などに若干の違いがあります。
それぞれの特徴を知ればお料理やデザート作りの腕もぐんとあがります。
白ごま
ほのかな甘味があり控えめな味なので、万能選手といえます。すりごまやペースト状のねりごまにして、ごま豆腐や白和えに使ったり、ドレッシングやつけだれ、和え物などにもよく合います。
黒ごま
香りが強く、コクがあるので、春菊やセロリのような香りの強い野菜のごま和えには黒ごまがおすすめです。そのほか、黒ごま豆腐、黒ごまプリン、お団子の餡など、スイーツにも黒ごまは大活躍です。
金ごま
香りがよく、濃厚な味わいが特徴です。煮物やきんぴらなどに最適です。また、毎日のあたたかいごはんのふりかけにもおすすめです。
洗いごま
生のごまを水洗いして、乾燥させたごまです。
皮むきごま(みがきごま)
ごまの皮を除いて、乾燥させたごまです。
いりごま
生のごまを水洗いして、煎ったごまです。
すりごま
「いりごま」をすったごまです。
ねりごま(ごまペースト・あたりごま)
いりごまをとろりとなるまでペースト状にすりつぶしたごまです。
ごまは、煎ると香ばしさが増し、プチプチした食感が出て、一段とおいしくなります。
また、いりごまは煎りたてが一番香ばしく、おいしいものです。昔はどの家庭でも使う分だけ自分で煎って食べていたものです。近年市販されているものは、自分で煎る必要がない手軽ないりごまが主流ですが、「洗いごま」(まだ煎っていないごま)が手に入った場合は、ご家庭でごまを煎ってみるのもおすすめです。
<フライパンを使った煎り方>
フライパンにごまが重ならないよう洗いごまを入れます。絶えずしゃもじなどで混ぜながら、遠火の強火で均一に加熱していきます。この時、ごまをあまり入れすぎないことがコツです。また、フライパンを熱しすぎるとすぐに煎りすぎや煎りむらになるので、フライパンを返したり、ごまを混ぜたりしながら火加減には注意を。フライパンが熱くなってきたら中火に調節してもよいでしょう。
加熱が進むと、次第にごまがはじけ出します。ごまは直ぐに煎りすぎてしまうので、昔は「3粒はぜたら火を止めろ」といったそうです。ごまがはじけ出したら火を止めましょう。後は余熱で混ぜながら丁度よいお好みの煎り加減まで加熱しましょう。この時、煎り加減が弱いようなら再び火にかけ、同様に早めに火から下ろして煎り加減を調節します。慣れないうちは、あせらずに何度か同様な作業を繰り返すことで失敗が少なく済むでしょう。フライパンの上のままだと加熱が進んでしまうので、お好みの煎り加減になったら、バットなど別の容器に移し、いりごまが冷めたらできあがりです。
市販されているいりごまは、保管中に湿気やすいものです。もし、湿気てしまった場合は、軽く煎りなおすと香ばしさや食感が戻ります。ただ、いりごまはすでに煎ってあるので、煎りすぎには注意しましょう。焦げないよう温める程度で充分。弱火にかけ、全体を揺すりながら、より香りが立つまでゆっくり煎りましょう。湿気たいりごまが煎り立てに近いいりごまに復活します。お家でねむっているいりごまがあれば試してみてください。
すりごまが手に入りやすい現在では、家庭でごまをする機会も少なくなってきましたが、かつては、ごまはすって使うものでした。ごまは、することで香りがたち、ごまのうまみを感じやすくなります。また、そのまま食べるよりも消化も良くなり、ごまの栄養を体に摂りこみやすくなります。ちょっとだけ手間ひまかけて、おいしく好みのすり加減のごまに仕上げましょう!
ごまをするためには、いりごまとすり鉢、すりこ木、濡れぶきんを用意します。家庭では、すり鉢はやや大きめ、すりこ木もやや長めのほうが作業しやすいようです。
最近は底にすべりにくい素材を使ったすり鉢も出回っていますが、する際の安定をよくするために濡れぶきんを敷いた上にすり鉢をのせ、いりごまを入れます。すり鉢とすりこ木は乾燥したものを使うようにしましょう。
ごまをするには、すりこ木を利き腕の手で握り、もう一方の手をすりこ木の上に乗せ、すり鉢に沿って下から上に円を描くようにしながら、すりこ木がまんべんなくごま全体に当たるようにすりつぶします。
すりはじめはゴリゴリという重く荒い音がして、する手にも抵抗が感じられますが、しだいに柔らかで軽い音に変わってきます。すり続けるほどにごまの皮が破れて、よい香りが漂い始めます。
料理を食べていただく方へ思いやりをこめながら、少しずつゆっくりとすり上げます。すり加減を調節することでよくすれた粒やすれていない粒が混ざり合い、風味や食感に変化が出て、おいしさのバリエーションが広がります。ごまの状態を見ながら、すり加減を調節し、お料理に合ったすり具合に仕上げましょう。
すり鉢でするごまの風味にはかないませんが、最近では手軽にごまがすれるごますり器なども市販されています。お好みの道具ですってみましょう。
「いりごま」とは、生のごまを水洗いして、煎ったものをいいます。ごまの香りは生の状態にあるのではなく、コーヒー豆のように焙煎することで香ります。ですから、煎りたてが一番いい香りがします。洗いごまが手に入ったら、使うたびに煎るのが理想的です。
(ごまの煎り方は、Q9「お家でどうやってごまを煎るの?」をご覧ください)
いりごまは湿気を帯びるとごま特有の香りや粒々感が弱くなるので、できるだけ早く使いきるようにしましょう。もし湿気てしまっても、水分をとばす程度に軽く煎りなおすと、香りと食感が戻ります。
ただし、すでに煎ってあるので、煎りすぎには注意しましょう。
いりごまをすったものを「すりごま」といいます。ごまはすりつぶすことで、香りがたちやすくなります。また、ごまは皮が固く粒が小さいので、かみ砕きにくいものです。いりごまはそのまま食べてもおいしいですが、すりつぶすことで消化吸収がよくなり、栄養面でもおすすめしたい食べ方です。
ご家庭で煎ったごまを使うときは、必ず冷ましてから使うことと、すり鉢などの調理器具をしっかり乾燥させておくことがポイントです。そして、すったごまはなるべく早く使いきりましょう。
一般的に、すり方の程度により「あらずり」「半ずり」「七分ずり」などと呼ばれています。粗めにするとごまの食感が楽しめ、ごま豆腐やごまだれなどには口当たりをなめらかにするために、油がにじみ出るまで充分するとよいでしょう。
ドレッシングや鍋物のたれ、ごま和えなどのほか、麺類にふりかけたり、アイスクリームや牛乳に混ぜるなど、オールマイティに使うことができます。
すりごまをさらにすっていくと「ねりごま」になりますが、なめらかになるまでするのは大変なので、市販のねりごまを利用したほうが便利でしょう。
(ごまのすり方は、Q10「お家でどうやってごまをするの?」をご覧ください)
乾いたまな板の上で、いりごまを包丁で刻んだものを「切りごま」といいます。刻むことで香りがよく出、適度に食感も残ります。
ご家庭で行うときには、まな板の上にキッチンペーパーを敷くと、ごまが飛び散りにくく、刻みやすくなります。切りごまはお吸い物やおひたしのほか、そばつゆやそうめんにも合います。
昔は、ごまを煎るには、『ほうろく(焙烙)』という素焼きの調理器具が使われていました。素焼き製品特有の遠赤外線効果で、表面を焦がすことなく中までじっくり火を通すことができるので、お茶や豆、ごまなどを煎ったり、焼いたりするのに適しています。しかし、ほうろくがなくてもフライパンでも充分煎ることができます。
洗いごまが手に入ったら、ぜひ、いりごまはご自宅で作ってみてください。
ごまは表皮がかたく、そのままでは吸収されにくいため、すって表皮を細かく壊すことで栄養を最大限吸収することができます。そのうえ、することで香りもさらによくなります。
すり鉢とすりこ木
すり鉢でごまをすると、ごまの繊維を残したまま、「あらずり」「半ずり」や油がしっとり出たなめらかな仕上がりなどにすり分けができます。
すり鉢にはいろいろなサイズがありますが、やや大きめ、すりこ木はやや太めの物を使うと、同じ手間で早くすれます。また、すりこ木の材料には、硬くて、木の香りがごまに移らない山椒の木が最適とされています。
ごますり器
きんぴらごぼうや煮物などにごまをたっぷりかけて食べたいというときには、ごますり器が大活躍します。すり鉢でするごまの風味にはかないませんが、手軽にごまがすれます。
古くから、江戸前の天ぷらにはごま油が使われてきましたが、家庭ではサラダ油や天ぷら油にごま油を少し加えることで、香りが楽しめるほか、油が劣化しにくくなります。ごま油をつかって、さらにおいしい天ぷらに挑戦してください。
揚げ油はたっぷり
天ぷらをおいしく揚げるコツは、油の温度を適温に保つこと。そのためには、油の量は多めに、揚げる食品の量は油の2分の1が目安です。
また、食品の表面積が大きいほど、食品の水分が蒸発するときの蒸発熱で油の温度が下がってしまうので、たとえば、かき揚げを揚げるときはさらに少なめの量にしたほうがよいということになります。
さし油で長持ち
天ぷらをすると、油は衣に吸収され減っていきます。そこで、途中で減った分だけ新しい油を足すことを「さし油」といいます。
揚げ油が何回くらい使えるかということは、揚げるものの種類や量、揚げる時間、 揚げ油の種類や状態などによって異なるため、一概にはいえませんが、さし油には、油の劣化を遅らせる効果があります。
さし油をしながら、上手に天ぷらを揚げましょう。
天ぷら用の鍋はアルミか、ステンレスで
揚げ物の鍋は、食品に均一に熱を伝えられるように、深さと厚みがあるものが適しています。
油は金属イオンで酸化する性質もあります。銅や鉄製の鍋は油を酸化させる作用が強く、もっとも劣化が進行しにくいものはアルミニウム製、次がステンレス製です。
また、丸底と平底のどちらがよいかは、食品や油の量によって判断が違ってきます。
なるべく空気と接触する面積が小さいほうがよいという点では、中華鍋は不適切のように 思えますが、中央に深さがあるため、均一な温度で食品をたくさん揚げることができるというメリットもあります。
天ぷらは、適した温度の油で揚げることで、衣に含まれている水分が蒸発し、代わりに油が入り込むという加熱方法です。ですから、油の温度が低すぎると衣の水分が蒸発せずに残って、べたついてしまいます。
いたんだ油を使うと、水分が蒸発してもうまく油が衣に入らなかったり、衣の表面に粘った油が付着した状態になってしまうため、おいしく揚がりません。油がおいしくないと揚げ物もおいしくありません。
揚げ物をすれば、油はどうしてもいたんでしまいます。いたんだ油ではおいしい料理ができないうえに、健康上も少し不安。
いやなにおいがする、色が濃くなり粘りがある、油切れが悪くなる、泡が消えにくい、高温でないのに煙が出るなど「あやしいな」と思ったら、新しい油にかえてください。
使用した油を処分するには
使い古した油を流しや下水に流すのは厳禁。ほんの少しの量なら、新聞紙や古い布などでふき取ります。量がある場合は、油凝固剤を利用するか、ジュースや牛乳などのパックに、古新聞や市販の吸収材を詰め、冷ました油を注いで吸収させます。油が漏れないよう口をしっかり閉じて、生ゴミと一緒に捨てましょう。
油でベタベタした鍋やフライパンは、小麦粉をふって炒めると油っぽさがとれます。
また、ガスレンジなどを含め、ベタベタした油汚れには重曹が役立ちます。洗剤を使わなくても、十分にきれいになります。
家庭では揚げ物に天ぷら油やサラダ油を使うことが一般的ですが、「江戸前」といわれる天ぷらでは好んでごま油が使われています。ごまの香りで、天ぷらがよりおいしくなります。家庭で揚げものをする場合、揚げ油にごま油を3割程度加えるだけでも香ばしさが出ます。また、ごま油は劣化しにくい油なので、ごま油を混ぜることで揚げ油が長持ちするうえに、天ぷらのおいしさも長持ちします。
上手に揚げるポイントは
油の温度を適温に保つこと。そのためには、たっぷり多めの油で揚げましょう。油を多めにすると材料を入れてもあまり温度が下がらず、カラッとした仕上がりになります。油が減ってきたら、さし油をすれば劣化の進行を抑えられます。
揚げ種は入れすぎないこと。一度に揚げる量は、油の表面の2分の1が目安です。たくさん入れると油の温度が下がって、カラッと揚がらなくなります。
順序は、まず野菜などの天ぷら、次に魚介類・肉類の天ぷら、続いてフライ、鶏や魚の唐揚げの順で。油の汚れが少なくてすみます。
揚げカスも油の劣化の原因となるので、こまめに取り除きましょう。
炒め物にごま油を使うと、パァーッと香ばしいごまの香りが食欲をそそります。
仕上げにごま油を加えると一段と香りや風味がアップします。
中華料理に限らず、和風パスタなどの上にかけても、さっぱりとした上品な味に仕上がります。
焼き物にごま油を使うと、焼き上がりの色ツヤが良くなり、おいしさもぐんとアップします。
ちょっと日にちがたってしまった干物にごま油を塗ると、パサパサにならずふっくら焼き上がります。
溶き卵にごま油を少々加えてから焼くと、ふわふわの卵焼きになります。
煮物を作る際にごま油を加えれば、コクが増して深みのある味わいに。
ごま油で材料を軽く炒めてから煮ると、煮くずれせず、コクが出ます。
ごま油を少し加えてゆでれば青菜など色鮮やかに仕上がります。
素材をごま油で和えると、持ち味を生かしながらコクや旨みをプラスできます。
豆腐にごま油をかけるだけで、いつもとはひと味違った冷や奴に仕上がります。
お刺身の上に塩、こしょうとごま油をかければ『和風カルパッチョ』に。
ビタミンCの豊富なブロッコリーにごまドレッシングの組み合わせもおすすめです。ごまはビタミンCと一緒に摂取すると、美肌づくりに欠かせないコラーゲンの合成を促進します。おいしいだけでなく、美容にも良い組み合わせです。
植物油には、ごま油のほかにもいろいろな種類があります。それぞれ違った特性や味、風味を持っていて、使われ方もさまざまです。ここでは家庭で使われる一般的な植物油を簡単に紹介します。
大豆油
主な産地:アメリカ、ブラジル
大豆中の油含有率:16~22%程度
大豆から採取した油。日本の食用油のなかではポピュラーで消費量も多い。独特の旨みとコクがあり、一般的には他の油とブレンドされて、サラダ油や天ぷら油として使用されています。
なたね油
主な産地:カナダ、中国
なたね種子中の油含有率:38~44%程度
なたねの種子から採取した油。風味が軽く、熱に強いので、揚げ物などに適しています。近年はカナダで改良されたキャノーラ種が多く使われています。
とうもろこし油
主な産地:アメリカ、アルゼンチン
とうもろこしの胚芽中の油含有率:40~55%程度
とうもろこしの胚芽から採取した油。リノール酸が多く、揚げ物に使うとコクのある香ばしい風味が出ます。 また、ビタミンEを多く含むため、加熱しても劣化が遅く、風味の安定性もあります。 天ぷら油、サラダ油、マーガリンの原料として広く利用されています。
べに花油(サフラワー油)
主な産地:アメリカ、メキシコ
べに花の種子中の油含有率:25~40%程度
べに花の種子から採取した油。ビタミンEを多く含み、淡色、淡白な風味が特徴で、ドレッシングなど生食用としてよく使用されています。
オリーブ油
主な産地:スペイン、イタリア
オリーブ果肉中の油含有率:40~60%程度
オリーブの果肉から採取した油。独特の香りが特徴で、オレイン酸が多く含まれています。
地中海料理に欠かせない油として知られています。
落花生油
主な産地:中国、インド、アメリカ
落花生中の油含有率:44~56%程度
落花生から採取した油。品質が安定していて、独特の風味と香りを持っています。
中華料理などに多く使用されています。
ごまは、最古の作物といわれています。ごまを搾って作られるごま油は、当時も食用のほか、薬用、儀式用、化粧用など、幅広く利用されていました。
エジプトの女王・クレオパトラ(紀元前69~30年)は、ごまの発祥地に近いアフリカ東部のプント国からごま油を取り寄せ、香料や化粧料のひとつとして使っていたそうです。 クレオパトラの美貌に、ごま油がひと役買っていたのかもしれませんね。
「えごま」は「ごま」の一種と思われがちですが、ごまの仲間ではありません。
えごまは、シソ科シソ属の1年草で、見た目はシソの葉そっくりです。地域によっては「じゅうねん」「あぶらえ」などと呼ばれることもあります。かつては、ごまが高価で一般には手の届かないものだったので、ごまの代用品として使われていました。また、食用のほかに、えごま油として灯火用や印刷用インク等の工業用にも利用されたこともありました。えごまの葉はくせがありますが生で食べることもできるので、韓国料理や刺身のつまに利用されています。
昔の忍者は、ごまの苗を毎日飛び越えて、ジャンプの訓練をしたと言われています。ごまではなく麻という説もありますが、どちらも生長が早いことから、そのようにいい伝えられているようです。
また、小粒で栄養価の高いごまは、忍者には欠かせない携帯食のひとつであったとも言われています。忍者は、ごまを植え、飛び越え、食用にして、体力と持久力、ジャンプ力を身につけていたようです。
「開け、ごま!」を英語で言うと、「Open sesame!」(オープン セサミ)。
アラビア語では、「イフタフ(開け)、ヤー(呼びかけの間投詞)・シムシム(胡麻)」。アラビアン・ナイトの「アリ・ババと40人の盗賊」でこう唱えると、盗んだ宝物が隠された洞窟が開きました。
「アリ・ババと40人の盗賊」の話が作られた時代、中近東地域では、ごまは油を搾るための重要な農作物として広く栽培されており、貴重な財源=宝物として重用されていました。お話のなかにも「魔法の霊験に通じる神秘なごま」という表現があり、ごまには神秘な力があると信じられていたようです。
ごまは成熟後乾燥させると、種子の詰まったさや(さく果)が割れ、なかの種がはじけ出ます。このことから「開け、ごま!」とは、パッと勢いよく開く様子を指して使われる当時の慣用句だったともいわれています。「開け、ごま!」の呪文は、「ぎっしり詰まった大切な宝よ、早く出て来い!」という願いが込められているのでしょうね。
ごまは「白ごま」「黒ごま」と区別するのが一般的ですが、アフリカでは濃淡の混じった「茶ごま」の方がなじみがあるようです。「茶ごま」は日本では「ミックスごま」と呼ばれ、ごま油用の原料として用いられています。白・黒・茶は見た目の違いで栄養価や味などは変わりなく、どのごまからでも同じような色と香味のごま油ができます。かどやで製造販売している黒ごま油は、アジア圏でしか採れない黒ごまのみを搾ったもので付加価値の高いごま油といえます。
ごまとはちみつを組み合わせて、トロッとしたドリンクにしたり、パンに塗ったりして食べることがありますね。ごまとはちみつを組み合わせる食べ方は、1000年以上の古い歴史を持っています。
中国の宋の時代に書かれた古い医薬学書「経史証類大観本草(けいししょうるいたいかんほんぞう)」にも、この効用が示されています。
ねりごまとはちみつを混ぜて丸薬にしたものは「精神丸(せいしんがん)」といい、「精神丸を100日連続して服用するといっさいの病気がなおる」と記されています。
ごまをすり鉢ですると、すり鉢やすりこ木など、あちこちにベタベタとくっつきます。その様子から、相手にこびへつらうことを「ごまをする」というようになった、といわれています。
また、江戸時代の文化・文政年間に、「胡麻胴乱(ごまどうらん)」というお菓子がありました。
小麦粉にごまを入れてこね、焼き膨らましたこのお菓子。ごまのよい香りはするけれど、なかはからっぽで、餡も入っていません。
そこで人々は、見かけはよいけれど中身のないもののことを、胡麻菓子(ごまかし)と言うようになり、これが転化して、人目を紛らすことの意味に使われるようになったそうです。
エジプトのピラミッドからごまが発見されましたが、古代エジプトでは「ごまは薬」という意味で「セムセム」「セセム」と呼ばれていました。当時、ごまは病気を治すだけでなく、精力剤として も愛用されていたようです。
古代エジプトの王様は、宮廷に数えきれないほどの美女を従えていました。その王様が毎日欠かさず飲んでいたのが、ごまのドリンク。すりごまにすずめの卵を入れてよく混ぜ、牛乳やはちみつ、スパイスを加えて沸かしたドリンクを飲んで、美女たちに愛情を注いでいたようです。現在のエジプトでも、ごまは精がつく食べものとして知られ、ごまのお菓子を食べる男性が多いそうです。ごまは健康を保つ優れた作物として、古くから世界中で愛されてきたのです。