
特有の香ばしい風味で料理を引き立たせるごま。
実はその小さな粒にはエネルギー源
となる脂質や良質なたんぱく質、
現代人に不足しがちなカルシウム、
鉄分などの栄養成分がギュッと詰まっています。
わずかですが、エネルギー産生を助ける
ビタミンB群の一種ナイアシンや、
アミノ酸合成に必要な亜鉛も含みます。
風味が豊かなので、料理の幅が広がり、
減塩料理にも役立ちます。


ごまには脂溶性のゴマリグナンが
約1%含まれています。
ゴマリグナンは体の酸化を抑制したり、
抗酸化成分として知られる
ビタミンEの働きを高めたりするといわれており、老化予防などの
様々な健康機能が報告されています。
活性酸素を取り除く働きがあるため、
生活習慣病の予防も期待されています。
主なゴマリグナンをご紹介します。
- ●セサミン
- ゴマリグナンの中で最も含有量が多く、体内で抗酸化性を発揮する。
- ●セサモリン
- ごま油の製造過程でセサミノールやセサモールに変化する。体内で抗酸化性を発揮する。
- ●セサミノール
- 非焙煎ごま油に特徴的なゴマリグナン。体内で抗酸化性を発揮するだけでなく、油の酸化抑制効果もある。
- ●セサモール
- 焙煎ごま油に含まれる。体内で抗酸化性を発揮するだけでなく、油の酸化抑制効果もある。
セサミンは肝臓の働きをバックアップしてくれるため、
アルコールの分解を促したり、コレステロールを減らしたり、
血圧を下げたりする作用が報告されています。


多価不飽和脂肪酸を多く含む油は酸化しやすいといわれています。
油が酸化することでつくられる過酸化脂質は、
風味を悪くするだけでなく、体にとっても好ましくありません。
体内で過酸化脂質がつくられると、
多くの生活習慣病の原因になると考えられています。
また、細胞を傷つけて老化や免疫機能の低下を引き起こすことがある
活性酸素はタバコやお酒などによりつくりだされるといわれていますが、
酸化した油も活性酸素のもとになります。
ごま油に含まれるゴマリグナンには、
この活性酸素を除去するちからがあります。
ごま油は酸化や加熱に強く、揚げ物や炒め物など、様々な料理にも大活躍!
おいしさと健康を兼ね備えています。

ごま油は油脂の酸化を抑えるγ-トコフェロール(ビタミンEの一種)や
ゴマリグナンを含んでいることから、酸化しにくく、
加熱調理に使用しても劣化の進行が比較的緩やかです。

揚げ物やオイル煮など、多量の油を使用して調理している最中に、
胸焼けやむかつきを感じたことはありませんか?
これは「油酔い」といい、加熱により揮発した食用油の
アクロレインという成分を吸うことによって生じる症状です。
ごま油は他の油と比べてアクロレインの原因といわれている
リノレン酸含有量が少ないため、
油酔いを防ぎ、快適に調理することができます。




油の主成分、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、
ごまに含まれる脂質の中で多くの割合を占めるのが不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸は他の食用油や魚の油にも含まれており、
ヒトの体内で合成することができないため、欠乏しやすく、
食物から摂る必要があります。

ごま油は酸化しにくいオレイン酸と細胞膜をつくる材料となるリノール酸が
バランスよく、ほぼ同量含まれている優秀な食材です。
オレイン酸と比較すると酸化に弱いリノール酸が含まれているにもかかわらず、
ごま油は他食用油と比較して酸化に強く、これはゴマリグナン等の
抗酸化成分の働きと言われています。

